かつて「アミガサタケ」と呼ばれる、都会の公園などで見つけられるキノコを食べてみたくて、春先にいろんな場所に探しに行きました。
何度もの空振りを経て、その甲斐あって2021年はイエローモレルを。
2022年にはブラックモレルも見つけて、念願叶って食べることができました(ブラックの方は記事にしてませんが今年採れたら書きます)。


ブラック、イエローともに発生する場所、いわゆる「キノコのシロ」を見つけられたので、これで来年以降も楽しめます。
で、次なるターゲットが「国産トリフュ」です。
デイリーポータルZで玉置さんのこの記事を読んで、「春はアミガサタケ、秋はトリフュ」ということで毎年探しているのです。

で、探しにいったものの、2022年の秋もトリフュは見つけられず。
が、代わりに初遭遇のキノコやムカゴなんかも見つけて食べてみたので、その様子を書いていきたいと思います。
国産トリフュは見つけられなかったモノの、他のブツを発見
やってきたのは千葉県北西部の某森。
こちらでは昨年幻のキノコ「ヤマブシタケ」を見つけた実績があります。
「国産トリフュはどんぐりの木が生えるような森にある」との事前情報は仕入れていました。
この森はコナラやクヌギなど、どんぐりを落とす広葉樹が多いことから探しにきてみました。
ちなみにこの森の前にも他の公園で1時間ほど捜索し空振りに終わっています。なんか見つけたい!



記事タイトルで既出なのでクイズにもなっていませんが、そうです、こいつの名前は「アラゲキクラゲ」です。
昨春に通常の「キクラゲ」を入手していろいろ下調べは済んでいたのですぐわかりました。
キクラゲ入手時の記事はこちら↓
枯れ木や倒木に生えていることが多いと聞いていたのですが、現役バリバリの樹皮のめくれた部分から生えてきていました。
倒木だったら木全体に菌が回っているので、持ち帰って何回も採取可能だったんですけどね…。
でも見つけられただけで全然OK。ラッキーラッキー!


キノコの同定は家に帰ってからゆっくりとするとして、とりあえず持ち帰ります。
食用キノコだといいなぁ。


昨年むかごを見つけたポイントで今年も発見しました。
今年は他の場所でも発見して、昨年より多く採取できました。やったね!

散策のお陰で長年の疑問が解消した件
お次は長年のモヤモヤが解消された余談です。

散策中に見つけた↑の植物。
わたしは長年「シソ」だと思っていたのですが「エゴマ」だと判明しました。
シソと葉の形が違うとは思っていたのですが、実家の家庭菜園にシソとこの葉の植物が同じ所に生えていて、父に聞いたところ

どっちもシソだ。種類が違うんだろ
と言われてずっと信じていました。

今回、やっぱり違うよなと思い、持ち帰り妻に聞いてみたところ

あなたがシソって言うから何も言わなかったけど、実家から持ち帰ってくるたびにエゴマに似てるよなぁとは思ってた
と言われて改めて調べたところ、エゴマだと判明しました。
どうりでシソの匂いとは少し違うと思ったんだよなぁ…。親の言う事といえ、まるっきり信じちゃだめですね。
このエゴマ、密集して自生していたので、種を大量に採取出来るときに来たらエゴマ油も自作できるかな?
まぁタイミングが合えばですね、自生している場所はわかったから。
結局1時間半ほどこの森を散策しましたが、国産トリフュは見つけられず。
でも他にも収穫があったので、今日の所はひとまず撤退!
野生のアラゲキクラゲを食べてみる


自生しているアラゲキクラゲを採取して食べるのは初めてですが、スーパーで売ってる乾燥アラゲキクラゲは見ていたので、まぁほぼ間違いないでしょう。
裏面が白っぽくて、白い産毛みたいのが生えているのが特徴ですし。
Twitterで調べても、同じようなモノが見つけられます↓
水で戻して膨らめば、確定ですよね。
つーわけで↓

と言うわけで確定したので、食べてみましょう。
まずは茹でてポン酢おろしかな。



あーうん、キクラゲだね。ちょっと食感が市販品と違うか
まごうことなきキクラゲの食感です。
口の中で噛んでいる音が、コリッコリッと脳に響く感じが心地よいです。
ただ外皮がキュッキュッという、ネギの薄皮みたいな感じもあります。
市販されているキノコは、万人に食べやすいように改良された菌なので、天然物と味わいが違うというのはあることです。
この外皮の食感は、市販品や料理店などでは感じたことないのない食感です。
市販品より厚みもないし、これが天然物か、野趣溢れるなぁ。
ちょっと気にはなるものの、不快レベルまではいかない、全然食べれるレベルです。
何より自分で採ってきて食べるという喜びがあります。
「俺はアラゲキクラゲを見分けて摘んで来れる人間だぞー」という変な優越感。まぁ自己満ですハイ。
ちなみにかつてしいたけの種駒打ちをしに行った時に森林アドバイザーさんから聞いた話では、アラキクラゲは家で栽培するのにも失敗しづらくオススメと言われました。
興味のある方は家でキクラゲ育てられますよ(原木必要ですけどね)。
むかごぎんなんキクラゲご飯を食べる
とってきたむかごも食べましょう。
去年も食べてるので、慣れたもんです。



銀杏は会社の近くのいつもの採取場所で採取済み。


派手さはないものの、安定のおいしさです。
妻も子供たちも以前だったら、「父ちゃんがなんかまた訳のわからないものを取ってきた」という警戒感から色々質問してきたものの、最近では慣れたもので、特段大きなリアクションも感想もなく食べております。
慣れって恐ろしいですねw。
銀杏は子供もお気に入りで、「ホクホクでおいしい」と長男(9歳)が反応していました。
お金をかけずに贅沢な秋のご飯です。
ま、子供らはマックとかの方が喜びますがw。
謎キノコを同定して食べる!正体はハタケシメジ
最後に「食べられそうだな」と摘んできたキノコを同定して食べました。

あたりをつけるために、Yahoo!知恵袋に質問を出すとすぐに答えが来ました。

ありがたいですねえ。
そうは言っても、回答者が間違えることもあるので図鑑を調べたり、ハタケシメジと間違いやすいキノコなんかも慎重に調べました。
ハタケシメジと間違いやすいキノコに、「日本人が間違いやすい毒キノコベスト3」に入るクサウラベニタケというものがありました。

毒きのこのクサウラベニタケの特徴は、
- 傘の裏が赤みがかっている
- 軸が中空になっている
とのこと。



慎重に何枚もの画像を見て調べ、「ハタケシメジで間違いなさそうだな」との結論を得ました。
そうは言っても、まず少量を食べて様子をみましょう。

仕事はひと段落してるので、万万が一、明日会社を休むことになっても大丈夫だw。よし食うぞ!

これを食べて1時間程度様子を見て何もなかったらこいつはハタケシメジ!

歯応えも良いし、とっても美味しいキノコだな
ハタケシメジの名前だけあって。市販のシメジに似ている味でした。
一晩寝てもなんでもなかったので、ハタケシメジと確定です。
また1つ食用キノコを見分けられるようになりました、嬉しいです!

このキノコ、かなり美味しいキノコです。
後からわかったのですが、ハタケシメジは「丹波しめじ」の商品名で売られているキノコでもあり、食味の良さには定評があるそう。
もともと畑地や人家の庭先などに生えやすいキノコだったため「ハタケシメジ」の名がつき、名産地である京丹波町で栽培されているハタケシメジを「丹波しめじ」と呼ぶようになりました。
丹波しめじ | 京野菜 洛市ホームページ

今回は少量だったのですぐなくなってしまいましたが、もっとたくさん食べたいとっても美味しいキノコでした。
都会に住んでても、きのこ狩りって知識があればできるもんなんですね。
まとめ
「好奇心」と「バカなことやめとけ」のせめぎ合い
「素人がキノコに手を出すのは危険」とのことは重々わかっているので、今までは本当に見分けのつきやすいキノコにしか手を出してきませんでした(アミガサタケ/ヤマブシタケ/キクラゲなど)。
国産トリフュ探しも、他に間違いやすい毒キノコがないという算段があっての捜索です。
で、今回は、慎重には慎重を期した上でハタケシメジを同定して食べましたが、頭の中では
「一つでも多くのキノコ知識を得たい!」
と
「そんな無理して食べなくてもいいものに手をだして、毒だったらどうするんだ」
とのせめぎあいがありましたw。
ある意味日常生活ではなかなか味わえないスリルであり、いい大人がすることではありませんでしたが、良いドキドキが味わえました。
漫画で、頭の中で天使と悪魔がささやくヤツがあるじゃないですか?まさにそれな感じで人にはオススメしませんが、なかなか無い興奮を得ました。
とっても美味しいキノコだったので、来年はもっと見つけて家族にも食べさせてあげようと思います。
今回も最後まで読んでくださり、ありがとうございます(礼)。
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