潮干狩りのマイナー貝イボニシを食べる。取り放題の美味な貝

とって食べる
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この記事は

「潮干狩りで小さな巻き貝を見つけたんだけど、これって食べられる貝?」

という疑問をお持ちのあなたに向けて書いています。

小さくても味はばっちり

2023年の潮干狩りシーズンが開幕しました!

東京湾のマイ・ホーム狩り場に今年も既に2回出撃しまして、その際に

「あれ、この小さな巻き貝はアカニシの子供かな!?」

と見つけた貝がありました。

アカニシ貝に似た小さな貝
牡蠣殻の間に潜む、アカニシ貝に似た小さな貝
大きさは2~3cm
大きさは指の関節の長さくらい。2~3cmですかね

牡蠣殻の間に潜(ひそ)んでいたり、岩壁に吸着していたりと、取っても取りつくせないほどに大量発生していました。

当初「アカニシ貝の子供かな」と思い持って帰って食べてみたのですが、その後調べて「イボニシ」という貝だとわかりました。

普通に美味な貝だったので、どんな所にいて、どうやって食べたかをお伝えしようと思います。

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「イボニシ」ってどんな貝?

画像引用:Wikipedia イボニシ

Wikipedia イボニシ

日本全国の潮間帯(海辺の岩場)などに、いたって普通に見られる小型の巻き貝。
肉食性の貝で養殖のカキなどを襲う有害種の貝として水産の世界では名を馳せる。
採取が簡単なので日本各地で「磯もの」としてほそぼそと食べられている。
内蔵に独特の弱い辛みがあり、珍味のたぐいと思われてもいる。

引用:ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑 イボニシ

イボニシとアカニシは同じアッキガイ科。

アカニシは数年前浦安三番瀬で遭遇しており、その際に食べておいしさはわかっています。

はま寿司の寿司ネタにもアカニシは使われていましたし、セブン-イレブンでおつまみにもなっています↓

アカニシ貝
4年前、浦安の海で見つけたアカニシ。隣は1円玉なので7~8センチくらいでしょうか
比較で再度イボニシ。サイズ感は2~3センチ。似てませんか?

イボニシもアカニシ同様に肉食で、牡蠣などを食べてしまう貝です。

牡蠣の養殖業者さんなどからは、嫌われている害貝だそう

初見の感想としては、イボのある感じが「王蟲みたいだな」と思いました(スケールはだいぶ違うけど)。

牡蠣殻の間にひそんでいるイボニシ
↑牡蠣殻の間にひそんでいるイボニシ。どこにいるかと言うと…







牡蠣殻の間にひそんでいるイボニシ
gifアニメにしてみました
岩壁の牡蠣殻に張り付いていたイボニシ
岩壁の牡蠣殻に張り付いていたイボニシ

イボニシは砂を掘ったらいるというわけではなく、上記の写真のように牡蠣殻の中や岩壁に引っ付いています。

で、その気になったら「無限に取れる」という程簡単に見つかります。

そもそもこの貝を食用に持って帰ろうとする人がいないので、取り放題です。

イボニシ
その気になれば取り放題でしたが、初めてなので30個程度で抑えました
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イボニシの下処理

まずはとってきたイボニシを真水で良く洗います。

タワシがあればタワシでゴシゴシしても良いでしょう。

これは他の貝でも一緒ですが、真水でよく洗うことで食中毒のリスクを減らせます。

腸炎ビブリオは、夏場に多く発生する食中毒原因菌の1つで、主に海産魚介類から検出されます。
(中略~)
腸炎ビブリオは、海水など塩分のあるところを好み、真水に弱い性質があるので、真水(水道水)でしっかり洗ってから調理に取り掛かりましょう。

情報引用:食育大事典「魚貝類は真水で洗って食中毒予防?」

よく洗ったら、水から茹でていきます。

貝は水から茹でるのが基本らしく、その方が身も固くならず取り出す時も身がちぢこまらないので楽に取れるそうです。

イボニシを茹でる
貝は水から茹でるのが基本

沸騰してから3〜4分茹でて、冷水にとって粗熱をとります。

イボニシを茹でる
塩と酒を入れ、沸騰してから3~4分茹でました

手に持てるようになったら、爪楊枝などで身を取り出していきます。

巻き貝なので途中切れてしまうこともありますが、上手に最後まで取れると嬉しいですw。

イボニシ
冷水にさらして粗熱を取って
イボニシの身を取り出したところ
爪楊枝などで貝の巻きと逆回転させて中身を抜きます。うまくいくと気持ちいい!タモリ倶楽部の「ぬきもちいい貝」の会を思い出しました

当初、アカニシ貝のちっこいのだと思って食べ方を調べていました。

アカニシは「内臓の緑の所が苦いからそこを外して食べると良い」とのことだったので、そこを外して食べてみることに。

この緑の部分が苦い
具体的な部位の名称はわかりませんが、ここの緑のところが苦いとのこと
イボニシ
別角度からの写真
イボニシを分割
四分割しました。上から反時計周りで、「フタ」、「脚部分」、「ニガニガ部分」、「肝」です

うまいうまい。つまみになるよコレ

「味が薄い」と書かれているものも読みましたが、そんなことないです。

ちゃんと貝の旨味のするおいしい貝です。

わたしが貝好きというのもありますが、好きです、ぜんぜんイケマス。

筋肉質の脚は弾力があり、噛みごたえもあり食感もgoodです。

動いているイボニシ
みょいーんと動く筋肉質の脚部分は噛みごたえがあっておいしいです

隣にいた長男(9歳)に、脚の部分を「食べてみ」と与えましたが、長男も「おいしい」と言っていました。

ちなみに緑のニガニガ部分を取り除かずに、1個まるごと食べてみましたが、苦い&えぐかったです(この苦味が好きって人もいるそうです)。

手間ですが緑のニガニガ部分は1個づつチマチマと取り除いた方が美味しく食べれると思います。

【追記】
1回書き上げた後再度調べてみると、この緑の苦い部分は「鰓下腺(さいかせん)」と言うらしいです。
他の貝類を捕食攻撃する際にこの部位に含まれる強い酸成分や毒素で相手を弱らせて食べてしまうとのこと。そりゃ食ったら苦いわけだ。

「鰓下腺(さいかせん)」は別名「パープル線」とも呼ばれ、この部位に含まれている成分が染物に利用されていたこともあるそうです。
かつて伊勢の海女さん達はこの貝の染料で布にまじないのしるし(セーマンドーマン)をつけてたとか…。綺麗な紫が出るそうで「貝紫染め」と呼ばれていると…俄然気になってきた。

参考サイト:イボニシで貝紫を染めてみた

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イボニシ丼にして食べてみる

イボニシの身を取り出したところ
今回取ってきたのはこれくらい

中身を抜いたら手でひとつづつ、ニガニガ部分を取っていきました。

ここが面倒な人は、筋肉質の脚部分だけをちぎって食べてもよいと思います。

私は先っちょの肝の部分も嫌いではないので、15分ほど時間をかけて分割しました。

イボニシ丼
イボニシ丼!

で、わさび醤油とからめて、ご飯にぶっかけて食べてみました。

見た目はそんなに良くないですが、大事なのは味だから…。

ぜんぜん旨い!肝がいい味出してる

貝たっぷりの海鮮丼の味です。

ニガニガ部分を取り除いたので、苦味もエグみも全くないです。

脚の部分の旨味と、肝の部分のクリーミーさが合わさって、かなりいい味に仕上がってると思います。

下処理に多少の面倒な工程はありますが、多分今後も継続的に捕獲して食べ続ける貝になりそうです。

なんと言っても、マイ・ホーム狩り場ではほぼ取り放題!

日本全国どこの海でもいる所には群生していて、取り放題のハズです!

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Twitterでの「イボニシ」報告

Twitterでモノ好きの同士さんがいたので投稿貼っておきます。

↑Twitterで調べていたら、野食ハンマープライスの茸本さんがイボニシ食べてました!

毒を楽しむ…そういう食べ方もあるのか、凄いな。

アカデミックでとっても面白かったので、動画も貼っておきます!↓

こちらの動画も大変参考になりました↓

これからいい季節になって磯遊びや潮干狩りに出かける方も多いでしょうから、見かけたら(物好きな方は)試してみてください。

普通においしく食べられる貝だと思います。

今回も最後まで読んでくださり、ありがとうございます。

もう1記事読んでやってもいい!

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