この記事は
潮干狩りの干潟で見つけたカタツムリみたいなこの貝は何?気持ち悪いけど食べられるの?
という疑問をお持ちのあなたに向けて書いています。
臆せずに食べてみましょう、おいしいよ
潮干狩りで「ツメタガイ」を大量捕獲しました。
ツメタガイはアサリなどの二枚貝を食べてしまう肉食巻貝です。
漁業関係者からは「干潟のブラックバス」などと呼ばれ、放流されたアサリを食べ尽くしてしまう害貝になります。
彼ら自身に罪はないのですが、放置しておくと二枚貝を食べ尽くされてしまうので、捕獲した分は責任を持って食べようと思います。
食べられるかわからないから潮干狩り場に置いてくる方も多いと思いますが、かつて「怒り新党」にて、「新3大・市場には出回らない旨すぎる貝」として紹介されてもいます。
もし捕まえることがあったら一度試してみて欲しいです、おいしいよ。
そもそも「ツメタガイ」とは
「ツメタガイによる食害に困っている」
こんなニュースを目にするようになったのは2000年代に入ってから以降かなと思います。
ツメタガイと同属のサキグロタマツメタは、中国から輸入されるアサリに混入して日本に侵入し急速に分布を広げ、各地で被害を招いているそうです。
日本には古くから有明海や瀬戸内海の軟泥干潟に在来個体群が分布していたが、そこから分布を広げることはほとんどなく、むしろ干拓などの開発に伴って個体群を縮小させて珍しい貝の部類に入るほどであった。また分布地でも漁業被害を起こす貝であるとはほとんど認識されてもいなかった。しかし、1990年代後半になって中国からの輸入アサリに混入して入ってきたと考えられる大陸側の海域に由来する外来個体群が日本列島に侵入し、急速に各地で分布を広げ、深刻な漁業被害を招いている。そのため、在来個体群と外来個体群の間には、個体群特性や摂食習性に大きな差があるのではないかとの仮説が有力視されているが、まだ十分に解明されてはいない。
情報引用:Wikipedia サキグロタマツメタ
日本全国においてアサリの数が減ってきています。
その原因は複合的な要素で、ツメタガイだけが原因とは言えないらしいのですが、捕まえたのならば今後も長く潮干狩りを楽しめるようにおいしくいただくのが潮干狩り好きの責務かなと。
実は既に食べたことはあって、味も問題ないことは確認済みです。
ですが今回はいつもと違う食べ方もしてみたので、1本の記事にしてみました。
ツメタガイを観察
ハマグリ 6
アサリ 14
ホンビノス 1
マテガイ 3
アカニシ 1
ツメタガイ 13
採取場所は東京湾某所です。
量は取れませんでしたが、種類は多様でした。
ちょうど潮干狩りに行った翌日の「相葉マナブ」で「東京湾の本ハマグリを探す」という回をやっていたのですが、わたしもハマグリ6個見つけました(えっへん)。
春先にもでっかいハマグリを見つけていまして、東京湾での潮干狩り歴15年程になりますが、確かにここ2、3年で前は見かけなかったハマグリを見かけるようになりました。
ツメタガイはハマグリも食べてしまうみたいなので、ハマグリのためにもツメタガイをおいしく頂こうと思います。
ツメタガイは自分の貝殻を覆ってしまうほどに大きく脚を広げます。
海水に放置して観察してみると面白いです。
うねうねと動く様は、確かにカタツムリっぽいです。
大きく脚を広げているタイミングで、脚先に砂なりモヤなりがついているので流水で砂を流しました。
動くさまはこんな感じです↓
ツメタガイの下処理
ツメタガイを良く洗い、水に塩を適当に入れて鍋にかけます。
沸騰してから2〜3分後、ザルに上げ冷やしてから中の身を取り出します。
爪楊枝や竹串を使ってもいいですが、指でも問題なく身を取り出せました。
ちなみに茹で汁に出汁がでれば使えるかなと思い味見してみました。
出汁がでていなくは無かったですが、細かい砂が混じった上に若干生臭かったので、わざわざ食べなくてもいいかなと思い茹で汁は捨てました。
ツメタガイの黒い部分にヌメリと砂が大量に付着していることがありました。流水でよく洗い流します。
記事を書くにあたりツメタガイの食べ方を色々調べたところ、この内臓(中腸腺と言うらしい)は「貝毒のリスクがあるので食べない方が無難」との意見もありました。
ただ採取海域での貝毒は発生していなかったので、自己責任で食べてみることに。
わたしは野草や自己採取したキノコなどを食べる時まず少量を食べて、時間をあけて体調に変化がなければ、ガッツリ食べる方法を採用してるので今回もそのように。
ライターの玉置さんの記事でも普通に食べて問題なかったみたいですしね↓。
ツメタガイの肝醤油和え
ツメタガイの肝だけを包丁で細かく刻んだ後、しょうゆを入れてすり鉢で潰します。
2口程味見をして、時間をおきました。
数時間たっても体調に変化はなかったので大丈夫。食べていきましょう。
貝のコリコリが好きな人は絶対好き。肝醤油もコクがあってうまい!
小料理屋さんで出てきそうな、珍味系の一品に仕上がりました。
このわた的な?(食べたことないですけどね…)。
臭みもないですし、肝醤油でコクも増してて実においしいです。
味の系統で近いものをいえば、イカのわた焼きとか、それ系の味です。
ツメタガイの身は薄く切らないとかなり歯応えがあります。
切った厚さがちょうど良かったからか、歯応えが抜群で美味しかったです。
肝醤油の色が子供らにはアレに見えたらしく、長男(9歳)には
パパが良くわからないものにウ○コかけて食べてる(爆笑)
と言われました、失礼なw。で、報復で長男にも食べさせたところ
普通においしい
と言われました。だろ?
ツメタガイの煮付けを食べる
ツメタガイを昔から食べていた地域では、「煮付け」は定番みたいなので、下記レシピを参考に作ってみました。
クックパッド ツメタガイの煮付け
酒
醤油
みりん
水
を1:1:1:1の比率で。
チューブ生姜を適当に絞り、細切りにしたツメタガイを入れて、5分程ごく弱火で煮詰めました。
正直煮魚とかでお馴染みの味付けなんで、味の想像はほぼできるけど、昔から食べられてきた方法なら一応試しておかないと。
うん、想像通りの味だな。The佃煮の味
煮詰めたからといって身が柔らかくなるということもなかったです。
煮詰め過ぎたから、ちょっとしょっぱいし。
米と一緒に食べないとしんどいなとこの時は感じました。
ただ翌日、↓のツメタガイのアヒージョを作る際に冷蔵庫に入れておいたツメタガイの煮付けをつまみながら作ったのですが、これはなんか良かったです。
味が良くなったわけではないんですが、中毒性がありました。
イカゲソとかスルメとかみたいに、噛むたびに味がするのが良いのかな。
ツメタガイのアヒージョ
洋物も作ってみたかったので、アヒージョに挑戦してみました。
クックパッド ツメタガイのアヒージョ
うん。イケルイケルウマい!
煮つけの時と同様で、油を通したからといって硬さが柔らかくなることはないけど、全然ありです。
ニンニクの香りが食欲をそそり、しいたけのくにゅっとした食感とのコントラストもイイ。
アヒージョを利用して、パスタを作ってみました。
味の決め手はツメタガイの肝醤油です。
肝醤油でもっと磯臭くなるかなと思いましたが、全然そんなことはなく、とってもクリーミーな味でした。
アヒージョは万人受けするツメタガイの調理方かもしれません。
おまけ ハマグリの直ホイル焼き
ツメタガイも美味しいのですが、そうは言ってもやはりハマグリには敵いません。
今回ハマグリの面白い調理法を見つけて試したのでオマケでご報告を。
ハマグリをアルミホイルで包んで、ガスコンロの火に直接あてるだけです。
タモリさんがテレビで紹介していたやり方らしいです。かんたんで洗い物も出ないのですごい楽!
ツメタガイさんには悪いですが、格が違いましたね。
そうは言ってもツメタガイを駆除しておかないと、おいしいハマグリが人間様の食卓に上らなくなるので、ぜひ皆さんもツメタガイを見つけたら食べてみてください。
まとめ 参考資料
記事を書くにあたって、参考にさせてもらったページのurlを貼っておきます。
愛知県美浜町では、商品化もされています↓
海音貝(ツメタガイ)の水煮
海音貝(ツメタガイ)の惣菜瓶詰(旨煮)
魚食普及推進センター ツメタガイをさばこう!この種を喰い尽くせ!
あと、潮干狩りの際にツメタガイの卵である「砂茶碗」を見つけたら駆除(陸に放置)するとよいみたいです↓
今回も最後まで読んでくださり、ありがとうございます(礼)。
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