この記事は
「孟宗竹(モウソウチク)のタケノコで発酵メンマを作ってみたいんだけど…」
という疑問をお持ちのあなたに向けて書いています。
去年より上手にできた。ちゃんとメンマになった、でも…
昨年2021年、孟宗竹のタケノコで発酵メンマ作りに挑戦してみました。
結果から言うと失敗に終わり、ありがたい話で春先には多くの方が検索で訪れてくれたのに、長文で失敗の過程を読ませることになってしまいました。
その時の記事はこちら↓
今年2022年春もタケノコ堀りの機会に恵まれて、リベンジのチャンスを得られました。
なんとか「去年よりはうまくできた」と言う成果を得られたので、今年も製作過程をレポートしたいと思います。
今年も父の知人のお家でタケノコを掘らせてもらう
本来の発酵メンマは、「麻竹(まちく)」という中国南部や台湾で育つ竹のたけのこを使います。
台湾産麻竹(マチク)の竹の子の柔らかい成長部位だけを切り、しょうゆ、砂糖、ごま油の香りを効かせた桃屋独自の味付で、ラーメンの具はもちろんの事、ごはんのおかず・おつまみにも最適な味わいに仕上げました。
情報引用:桃屋 味付メンマホームページより
ただ日本の竹林に生えている竹はほぼ孟宗竹(もうそうちく)で、今回も孟宗竹のタケノコを使います。
上の写真はわが家の訪問前日、そのお宅のご主人が掘り返して放置していたタケノコ。
掘っても掘ってもキリがないそうで、「いっぱい掘って持って帰ってもらっていいですからね」と言ってもらえました。ありがたやありがたや。
まだまだありましたが、タケノコ掘るのってかなりの重労働なので20本前後でギブアップです。
この後の処理も大変なので、ほどほどで。
タケノコ堀りから、茹でる下処理までで一日仕事です。
実家で食べる分とおすそわけ分を除いて、わが家に7割くらい持って帰りました(会社で配ったりするので)。
今日は疲れた…、孟宗竹メンマの仕込みはまた後日。
孟宗竹発酵メンマを仕込む前に、いろいろ調べる
昨年の反省を活かし、孟宗竹での発酵メンマの作り方をいろいろ調べました。
参考にしたのは、コレとかコレです↓
長野県ホームページ メンマを作ってみよう(PDF)
昨年との違いは、塩の比率を変えて、乳酸発酵を促すためにヨーグルトを入れてみました(↑の動画で乳酸菌を入れていたので…)。
「ヨーグルトを入れて常温放置で腐らないか?」という危惧はありましたが、失敗したら失敗したでブログを書くネタになるので。
成功でも失敗でもどっちでもネタになるってのは個人ブログの強みですね。
↑上のpdf資料や動画を見ても、育ちすぎたタケノコを使っています。
それに準じた方が良いかと思い、タケノコの硬そうな根元部分だけを使用することにしました。
塩の量は参考にさせてもらったpdfによると、タケノコの重量の3割ほどでした。
が、昨年も3割の割合であまり発酵が進まない気がしたので、今年は1割にしてみました。
既に水煮にはなっているのですが、房総竹部さんの動画とかを見ると茹でた状態にしてから仕込んでいました。
参考にさせてもらったpdfによると「理論上では、熱い状態で塩蔵した方が雑菌は入りません」ともあったので、仕込む前に熱を通した方が良いみたいですね。
今にして思えばヨーグルトではなく、ヨーグルトをしばらく放置しておくと溜まる水、乳清を使えば良かったかなとも思いますが、その時の頭は「乳酸菌=ヨーグルト」だったので気づけませんでした。
ヨーグルトをスプーン4杯、50g程投入して混ぜ混ぜしました。
基本、後は放置になります。
空気を抜いてスーパーの魚売り場にある厚手のビニール袋を2重にして、常温放置しました。
塩蔵ヨーグルトたけのこを4ヶ月放置してどうなった?
昨年も4ヶ月放置してあまり発酵してる感じはなかったので、今年も大体同じ期間で比較してみることに。
都度袋の様子は見て、時たまモミモミはしていたのですが、3ヶ月くらいまでは変化なし。
3ヶ月経った7月に入ると、袋が劣化したのか原因はわからないのですが、1重目の袋から水分が滲み出てくるように。
水分を舐めると明らかにしょっぱかったので、中の水分が漏れ出てきてるのは間違いない。
浸透圧とかの関係なんですかね?
4ヶ月寝かせたタケノコを開封してみました。
常温ヨーグルトを4ヶ月放置なので、もっときつめに匂うかと思っていたのですが、匂いはそれ程ではなかったです。
んー、発酵していないのかなぁ?
取り出してヨーグルトを水で洗い流します。
変色もなく、かなりキレイです。
この時試しにひとかじりしてみると、ちゃんとタケノコの食感も残ってました。で、ちゃんと美味しいかも(しょっぱいけどね)。
これはうまくいくんじゃないかと、期待値もあがります。
次はこれを天日で干します。
孟宗竹発酵メンマ。天日干しして、塩抜きして、仕上げます
8月の天気のいい日に3日程干しました。
昨年はかなりカサカサになったんですが、今年はそこまでカサカサにならず、3日干しても多少水分が残っているように感じました。
ここまではなんかいい感じです。
このままだと塩辛すぎるので、水につけて塩抜きします。
冷蔵庫の中に入れ、朝晩と水を換えながら2日塩抜きしました。
350gで仕込んで200gに仕上がりました。
最後、味付けメンマに仕上げていきます。
作り方はこちらのレシピを参考に↓
うん、明らかに昨年よりメンマっぽい!
ちゃんとメンマになっていました。
ただ、厚切りのモノはメンマというよりはタケノコですね。
シャキシャキの歯応えが残っています。
塩の保存能力ってのはやっぱり凄いですねえ。
薄切りのものは、昨年より明らかにメンマっぽいです。
ただ、皆さんが想像するいわゆるラーメンに載っているおなじみのメンマとは別物ですね。
自作孟宗竹メンマはシャキシャキと歯ごたえがあります、これはさすがに竹の種類の違いなのでいかんともし難いのかもしれない…。
ただ、コレはコレで全然アリ!
しかし一点だけ残念な点が。
それは
ぬぐいきれないケミカル臭…
実は塩抜き前の味見の時から感じてはいたのですが、謎のケミカル臭が最後まで抜けませんでした。
味と歯応えは良いです、成功と言えると思います。
ただタケノコを保管していた場所が悪かったのか、変なケミカル臭がついていて、それがなんとも残念な仕上がりになってます。
保管していた場所というのは…↓
以前、軟白栽培のタンポポを作ろうとした時にも使ったわが家のトイレの棚の空きスペース。
その時の記事はこちら↓
なんでそんな場所で保管を?とお思いかもしれませんが、常温で保管できて妻の目につきづらい場所がそこくらいしかなかったんです。
妻の目のつく所に、私のよくわからない物が置いてあると、あまりいい顔をしないんです…。
ビニール2重にしてたのに、まさかそんな臭いがつくとは…。
昨年はこの臭いはなかったので(昨年は別場所で保管)、考えられる原因としては保管場所が悪かったか、ヨーグルトでこの臭いがついたか。
ただ匂いの原因がヨーグルトとは考えにくく、ケミカル臭が芳香剤っぽい臭いに近いことからも保管場所が良くなかったからなのかなと、わからないですけどね。
食べた後もお腹が痛くなることもなかったので、ヨーグルト投入で乳酸発酵はしてくれたと思います。
保管場所さえちゃんとしてたら、大成功と胸を張って言えたと思うのですが、食べるたびにちょっと不快なので、小成功くらいですかね。
まとめ
そのまま食べた方がおいしいと思います
ここまで読んでもらって身も蓋もないことを言います!
「タケノコは食べれるのであれば、メンマなどにせずにそのまま食べた方がおいしいと思う」。
房総竹部さんや、ライター玉置さんの記事は、「育ちすぎたタケノコで発酵メンマを作る」というものでしたが、育ちすぎたタケノコであればそのまま食べることは難しいのでメンマにするという必要性はあると思います。
ただ普通のタケノコであれば、取って茹でたものをすぐ食べた方が良いですね。
時間をかけて発酵させたからと言って、期待値を超えるほど美味しくなることもなかったです。「タケノコが大量に残って困る」という時の物好きプランですかね。
で、2年やって学んだ事は、塩の保存能力の素晴らしさ。
タケノコをメンマにしようとしなくても、塩漬けにするとかなり保存が効きます。
最長4ヶ月ものしか食べていませんが、タケノコのシャキシャキ感も残せたまま保存できました。
ちょっと調べたらこんなのもありました↓来年は食べ切れなかったら塩蔵タケノコだな(でもやっぱりもう1回やっちゃう気もする)。
農林水産省:うちの郷土料理 「塩漬けタケノコの天ぷら」
今回も最後まで読んでくださり、ありがとうございます(礼)。
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