家の庭で椎茸栽培にチャレンジ!
船橋県民の森で「椎茸のホダ木作り体験」があったので行ってきました。
毎年1回は開催されているようで、県民の森のホームページを見ている時にたまたま見つけました。
椎茸の管理・栽培方法などの説明および原木に椎茸の種駒を打つホダ木作り体験
実は昔、実家で父が趣味で原木しいたけをやってまして(その時は失敗)、興味は前からありました。
さらに父の兄(叔父)は、東北某県の山で原木しいたけ栽培を商売としてやってまして、かつて田舎に行った時に山を見学させてもらい、しいたけをお土産にいただきました。
「いつかやってみたいなぁ」と思っていた原木しいたけ栽培。
いい機会なので「午後からはアンデルセン公園に連れて行くから」と娘を誘い、勉強しに行ってきました。
【2020年4月追記】
無事しいたけ生えてきました!↓
キノコについてお勉強
まず用語の説明から。
原木(げんぼく):コナラやクヌギなど、キノコの菌を植えつけるための木材
種駒(たねこま):種菌(たねきん)とも。植えつける菌のこと
ホダ木:種駒を植えつけた原木のこと
イベントの定員は30名。参加費は1,200円。
植菌した原木が1本もらえて、講座もあるのでまぁ妥当な金額かと思います。
参考までに、後日ホームセンターで売っていたホダ木の写真を貼っておきます。
Amazonでも売ってますね。配送料がかかるからかややお高めだけど…。
参加名簿を見たら、26の欄まで埋まっていたので、そこそこの人気。
年齢層的にはシニア世代が多かったですかね。
ファミリーでの参加はわが家を含めて3世帯くらいでした。
千葉県森林インストラクター会の方が講師として来てくださり、資料のプリントを元にしいたけ栽培についてのノウハウを学びます。
開催時間は1時間強。
そのほとんどが座学で、作業をするのはほんのちょっと。最後の10分程度でした。
それでも私には面白かったですし、栽培経験のある講師の方に質疑応答できたのでとても勉強になりました。
勉強したことを、ここではざっくり書いていきます。
キノコはカビの仲間。キノコは大きく3つに分かれる
キノコは植物ではありません。
生物学上はカビの仲間になり、カビとの違いは「菌糸体」があるかないかだそう。
植物なら光合成をして自分で栄養を作れますが、キノコは菌なので光合成ができません。
ではどうやって栄養を取るかというと、他の生き物から栄養を吸収します。
その吸収元(寄生元)によって3つに分けられるそうです。
- 動植物の遺骸を栄養源とする「木材腐朽(もくざいふきゅう)菌」→椎茸、ヒラタケなど
- 菌が生きた植物の根に入って共生する「菌根共生(きんこんきょうせい)菌」→松茸など
- 昆虫類に寄生する「虫草(ちゅうそう)菌」→冬虫夏草
しいたけなどの木材腐朽菌は、森の倒木や落ち葉などから栄養をもらい分解して、二酸化炭素と水に変えます。
この作用によって森をきれいにして、「森の掃除屋」とも呼ばれているそうです。
一方、松茸などの菌根共生菌は生きた松の根と共生して発生します。
生きた松の根がないと菌が生きていけないため人工的に栽培するのがとても難しいのだそうです。
そして虫草菌は「冬虫夏草」が有名ですね。
冬虫夏草はコウモリ蛾の幼虫に寄生して生えるキノコのことです。漢方薬としておなじみですよね。
「冬は虫の姿で過ごし、夏になると草になる」と考えられていたことからこの名前になったそうです。
キノコの種類は1万種類以上
自然界のキノコは1万種類以上あり、名前がついているものが3千種類、千葉県には700種類ほどのキノコがあるそうです。
ちょっと前にEテレ「又吉直樹のヘウレーカ!」のキノコの会を偶然見ていて、その時出ていた教授が今も新しい菌が発見されその数は増え続けていると言っていました。
キノコおそるべしですね。
2つのきのこ栽培方法 ~原木栽培と菌床栽培~
ここからはキノコ栽培の話。
キノコには2つの栽培方法があります。
「原木(げんぼく)栽培」か「菌床(きんしょう)栽培」かです。
原木栽培 | 樹木を扱いやすい大きさに切り(原木)、そこに菌を植え付け、林またはハウス内(日除けや湿度を保つのが目的で簡易なもの)で栽培したもの。 |
---|---|
菌床栽培 | 樹木を粉状に粉砕したものに、米ぬかやフスマ(麦のぬか)と水を加え、成形したもの(菌床)に菌を植え付け、ハウス内(湿度・温度管理ができる施設)で栽培したもの。年間を通して出荷できる。 |
普段われわれがスーパーなどで目にするしいたけは、ほとんどが菌床栽培だそうです。
売られているキノコを見てください。原木か菌床か書いてありますから。
講師の方にそう言われたので、翌日近所のスーパーに行ったら、確かに「菌床」と書かれていました。
本当だ、菌床って書いてある!知らなかったー。
東日本大震災以降、原木栽培は減少の一途で、さらに千葉県でも原木しいたけは出荷規制や制限がかけられている状態だそうです。
未だに原木から規制値を超える放射能が出るからですね。確かに森は除染できないですもんね。
今回我々が使う原木は長野県から取り寄せたコナラの原木なので大丈夫とのことでした。
原木しいたけ栽培の工程
原木しいたけ栽培は非常に時間がかかり、工程が多いです。
講師の方いわく、
今日菌をつけて、しいたけがなるのは早くて来年の秋です。
とのことでした。
その言葉をうけて、シニアの方からの
死んじゃうよ。
の声(笑)。
いいですよね、シニアのこの類のジョーク。
会場でも笑いが起きてました。
話がそれましたが、私も全工程を理解しているわけではありません。
いかんせん初めての挑戦です。
そのタイミングタイミングで勉強していこうと思ってます。
工程は下記サイトが詳しいです。
キノコの種駒(種菌)を売っている、森産業さん運営のサイトです。
同じく後日ホームセンターで栽培工程の表示を見つけたので貼っておきます。
本当の本格的に一からやろうとすれば、木の伐採、乾燥とかからなのですが、流石にそこまでは。
一般の方が趣味で始めるとすれば、
- ホームセンターで植菌済みのホダ木を買う
- 原木と種駒を買って、ドリルで穴あけをして植菌する
の、どちらかかと思います。
もっと簡単に始めたい場合は原木栽培ではなく、菌床栽培のキットもホームセンターなどで売られています。
しいたけの種駒の植菌
講座が終わったら、しいたけの種駒の植菌です。
あらかじめドリルで穴あけ済みでしたので、木づちで種駒を打ち込んでいきます。
ここでの注意は開けた穴に必ず種駒を全部入れること。
そうしないと、他の菌がホダ木に入ってきてしまうそうです。
そもそもなんですが、この種駒を打ち込んだ所からしいたけが生えてくるわけではないそうなんです。
植菌して、その後の工程を経て、ホダ木全体にしいたけ菌を行き渡らせることでその木からしいたけがランダムで発生するメカニズムとのこと。
そうなんだー、知らなかったー
仮伏せ
植菌後、ホダ木にしいたけ菌を定着させるように保温・保湿管理する工程が「仮伏せ」です。
寒くて空気中の雑菌があまり動かない間に、しいたけ菌の動きだけを良くして原木にシイタケ菌を活着させます。
ここでの注意はホダ木を地面に直接置かないこと。
地面に触れさせると、他の菌が入ってくるリスクが高まるからだそうです。
上げ底できればなんでも良いそうで、とにかく地面に直接置かないことが大事らしいです。
ホダ木がしっとり濡れている状態が理想らしいので、乾燥していたら木に水をかけます。
今年は乾燥しているので2日にいっぺん水やりをやっています。
雨が降ってきたらビニールシートを外す感じですかね。
この「仮伏せ」を梅雨前までやり、しいたけ菌がホダ木に定着するようにします。
ただ偉そうに書いてますが、これで本当に正しいかはわかりません。
もらったプリントや自分で調べたネットの情報を元にやっているので、失敗するかもしれません。
それはそれで失敗した旨を、またご報告します。
次の工程は菌がちゃんとついているかを調べる「活着検査」。
活着検査はやらなくても良いらしいのですが、いかんせん初めてなので何事も経験かなと。
5月くらいに行う予定ですので、その模様はまた書きますね。
船橋県民の森へのアクセスと注意点
「しいたけのホダ木作り体験」は、過去の公式ブログを遡ると毎年1月か2月に開催されているようです。
公式 千葉県立船橋県民の森
公式ブログ 船橋の森便り | 千葉県立船橋県民の森
毎年11月には告知が掲載されると思いますので、来年以降に体験されたい方はブログをチェックしてみてください。
また、持ち帰るホダ木ですが、結構重い(10kg前後)です。
体験会場から駐車場までは歩いて4、5分ありますので、台車持参の方とかもいらっしゃいました。
台車をお持ちの方は持参すると楽かもしれません。
まとめ
しいたけ王に俺はなる!
いや、しがないサラリーマンなんでなれないのは分かっているんですけどね(笑)。
心意気として、上手にしいたけを育ててみせるという意思表明です。
今のところ、欠かさず2日にいっぺん水やりをやっています。
この後の工程もいっぱいあるのですが、それはそれでブログのネタができたと言う事で良しとしてます。
キノコのこともいっぱい学べましたし、何より同行した娘が「しいたけちゃんとなるかなー」と期待をしていますので、娘の食育のためにもちゃんと育て上げたいなと。
今回も最後まで読んでくださり、ありがとうございます(礼)。
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【2020年4月追記】
無事しいたけ生えてきました!↓
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