凄く本格的。ほぼお店の味!
私が住む千葉県のベイエリアには無料で潮干狩りができるスポットがあります。
今年はコロナの影響で浦安三番瀬の潮干狩りは禁止されていますが(それでも護岸を乗り越えて行く人はいるみたいですが…)、それ以外にも何箇所かスポットがあります。
この地に住んで10数年、潮干狩りには毎年欠かさず行っています。
アサリやマテガイも場所によっては取れるのですが、安定して取れるのは最近知名度も上がってきたホンビノス貝。
ホンビノスは酒蒸しやクラムチャウダー、パスタなど、これまでも色々な調理をしてきたのですが、今年は満を持してちょっと手間のかかるラーメンに挑戦してみました。
そしたらそれが素晴らしく美味しかったのです。
なるほど、ラーメン作りにハマる人の気持ちが少しわかった気がします。
潮干狩りでとってきた貝の大量消費に、ラーメン作りは面白くて美味しかったので、その記録を残しておきます。
今回の収穫
今回の収穫です。
- ホンビノスが約50
- アサリが約10
- サルボウガイが1
と言ったところです。
はい、もちろん無料です、ありがたやー。
サルボウガイはこのスポットで取れたのは初めてですね、珍しいと思います。
今回は「純ホンビノスラーメン」にしたいので、アサリとサルボウガイは酒蒸しにして先に食べてしまいたいと思います。
アサリの酒蒸しは安定の美味しさ。
冬の2月に船橋三番瀬で採取してきたものより、ぷっくりと身が詰まってバッチリ美味しかったです。
アサリと一緒にサルボウガイも酒蒸しにしましたが、サルボウガイの酒蒸しはちょっとイマイチでした。
サルボウガイは「赤貝」として扱われることも多く、缶詰の「赤貝」の原材料は大体このサルボウガイです。
写真を見ておわかりの通り、サルボウガイはヘモグロビンが多く、酒蒸しにすると見た目もちょっとグロくて、血の味がするような気がしてしまいます。
本来なら佃煮で甘辛く煮付けたいところなんですが、1個のためにそこまでするのも手間だったのでやむなしっちゃやむなしなんですが…。
今回のラーメン作りで参考にさせて頂いたサイト
全く適当にラーメンを作って上手に行くわけでもないので、ちゃんと下調べをしてから取り組みました。
今回参考にさせてもらったブログがこちらになります。
こちらのサイトによると、ラーメンのスープは
- ダシ
- カエシ(たれ)
- 香味油
で構成されているそうです。
さらにダシは「うま味」を抽出することがポイントで、ダシには
- アスパラギン酸(ex:大豆・卵)
- グルタミン酸(ex:昆布)
- イノシン酸(ex:肉・魚)
- グアニル酸(ex:干ししいたけ)
- コハク酸(ex:貝)
などの種類があり、これらの「うま味成分」をちゃんとラーメンの中に入れてあげれば、美味しいラーメンになるそうです。
ホンビノスからは貝から出る「コハク酸」が大量に含まれているので、煮干しや昆布、お肉のうま味をプラスして、コハク酸+グルタミン酸+イノシン酸の「トリプルスープ」にしてラーメンを作ってみようと思います。
ホンビノスラーメン作りのSTEP 1「ホンビノスの出汁をとる」
ホンビノスは現地で汲んできた海水に入れて、昼過ぎから夜まで砂抜きしました。
ホンビノスはあまり砂を噛む貝ではないのですが、砂を噛んでいると残念なことになるので、ここは念入りに。
夜になったら海水を変えて、一晩さらに砂抜きしました。
翌朝は月曜日。
朝、貝をよーく洗って、冷蔵庫にしまいます。
出汁をとるのは夜になってから。
貝をすぐ調理しないのは狙いがあります。
貝に多く含まれているうま味成分の「コハク酸」は、貝にストレスを与えた方が多く分泌されます。
なので、夜まで冷蔵庫で寝かせた後、仕事終わりに冷蔵庫から取り出し、常温下で4時間程おいた後に出汁をとることにしました。
「天日で1日干すとコハク酸が凄い出る」とのネット情報もありましたが、そこまで時間の余裕がないので、まぁコレくらいでもいいでしょう。
ちなみにホンビノス貝のコハク酸含有量は貝類の中でもトップクラスだそうです。つまりうま味たっぷりってこと。
「鉄腕ダッシュ」でもとりあげられてたよっと。
貝に対しての水の量が良くわからなかったのですが、我が家にある一番大きい鍋に対して、ホンビノス1.5kg、水1.8Lくらいがあふれるギリギリな感じでしたので、そんな分量にしました。
ここらはお好みで。
濃い出汁を取りたい場合は水少なめ、出汁の量を多く取りたい場合は水多めとかで良いみたいです。
弱火でコトコト出汁をとっていきます。
途中、アクらしきトロミのある泡が少し出てきたので、丁寧にすくい取りました。
50分程、水から極弱火にかけて出汁をとりました。
箸で鍋底の貝をすくってみても、全部口があいているみたいなので大丈夫。
ここでとった出汁の試食!
うん、貝の上品な出汁がでてる!
薄~い塩味の貝出汁です。
正直これだけだと「美味しいけどちょっと物足りないかな」という味。
でもこの出汁に、カエシ(たれ)で塩気と、さらに香味油を足すので、この位でいいのでしょう。
数時間冷まして貝を取り出して、翌日も平日なので、次の工程はまた週末という事で、出汁と身を冷凍しました。
ちなみにラーメン作りじゃなくても、こうしておけば潮干狩りで大量採取した貝の長期保存が可能です、アサリとかもこの方法でイケマス。
ホンビノスラーメン作りのSTEP2「鶏油(チーユ)」を作る
週末になったので作業再開です。
次の工程は香味油の「鶏油(チーユ)」を作ります。
名前は聞いたことあったのですが、当然のことながら初めて作ります。
ネットで調べると「鶏皮と香味野菜を炒めて作る」とのことなので、そんなに難しくなさそう。
参考にさせてもらったのは、こちら。
上の写真のように鶏皮を2センチ幅位に切って、焦がさないように弱火で炒めます。
鶏皮は細かく切った方が、油がよく出るそうです。
油がある程度出てきたら、都度すくいました。
そのまま最後にまとめて油をすくうのでも良いらしいので、そこらはお好みで。
適当に30分弱炒めて終わりにします。
まだ油は出るのですが、メンドウくさくなって来たので…。
出来た鶏油(チーユ)です。
200gの鶏皮から50mlくらいでしょうか。
しょうがとにんにくのカスが多少入りましたが、自家用なのでキニシナーイ。
ホンビノスラーメン作りのSETP3「トリプルスープのために、残り2つのスープを作る」
コハク酸たっぷりの「ホンビノス出汁」はとれているので、残り2つのスープを作ります。
昆布煮干し出汁
【材料】
- 水 400ml
- 昆布(業務スーパーで買った安物)10cm長程度のを二切れ
- 煮干し 8匹
昆布は出汁がよく出るように、ハサミで何ヶ所かに切れ目を入れました(昔なんかのTVで見たやり方)。
煮干しは頭とはらわたを取った方が雑味が出ないらしいのですが、気にせずまるごと投入しました。
正直、ここらの分量は勘でやってます。
基本、ホンビノスの出汁がちゃんととれているので、そこまで変な味にはならないだろうと言う計算があります。
前日の夜から水につけ、昆布と煮干しのうま味がちゃんと水に溶け出すようにしてから、沸騰させないようにして出汁をとりました。
鶏だし
【材料】
- 水 400ml
- 鶏むね肉 1枚
- 砂糖・塩 少々
鶏むね肉を弱火で沸騰させないように茹で、スープは出汁に、肉はラーメンの具材に使います。
鶏むね肉をしっとり仕上げるために、むね肉はビニール袋に入れた後に砂糖と塩を入れ揉み込み、冷蔵庫で一晩寝かせてから出汁をとりました。
私、鶏ハムを良く作るのですが、この方法で作るとむね肉がぱさつかず、美味しく作れます。
ここまで手間をかけて、トリプルスープにするんですから、美味しくならないわけがない(笑)。
ホンビノスラーメン作りのSTEP4「カエシ(たれ)を作る」
もうだいぶ疲れてきましたが、もう一息です。
塩気の素となる「カエシ(たれ)」を作ります。
あまり手間がかからず簡単そうなのを調べて、作ったのはこちら。
材料は、
- 昆布
- 水
- 醤油
- 塩
- 酒
- みりん
- 酢
と、我が家にあるモノで作れたのでこちらにしました。
出来上がったものを味見したのですが、これだけの味だと塩気が強くて、ちょっと不安になる味。
更に色も、醤油の色が強い感じがして、「塩ラーメンにする予定なんだけど、これでいいのかな?」と一抹の不安は覚えました。
でもきっとスープと合わせると、化学反応でおいしくなるはず。
つーかおいしくなってくれないと、手間暇かけたんで困るんだよ(願)。
ホンビノスラーメン作りのSTEP5「ラーメンを作っていくよ!」
材料が揃ったので、いよいよ仕上げの工程、ラーメンを作って行きます。
とりあえず初めてなので、私一人前分だけ作っていきます。
上手に出来たら家族の分はまた今度作るということで。
その後、トリプルスープの
- ホンビノス出汁
- 昆布煮干出汁
- 鶏だし
を各100mlずつとホンビノスの身を鍋に入れ、温めていきます。
鍋でスープを温めている間に、どんぶりにカエシと鶏油(チーユ)を入れます。
カエシは大さじ2
鶏油は小さじ1
を入れてみました。
最後に麺ですが、ここは頑張れませんでした(笑)。
ここまでこだわるなら麺も自作すべきなんでしょうが、麺は業務スーパーの格安品です。
1袋30円くらいだった気がします、大丈夫、スープが美味しいはずだから。
麺を茹で、ホンビノスのむき身、鶏むね肉、ネギ、三つ葉をのせ完成です。
初めて作った割には、ビジュアルはなかなか良いぞ!
問題は味だが、どうかな?
自作ホンビノス塩ラーメンを食べるよ!
初の自作ラーメン。
味はどうかな?
う、うまい!お店の味がする!
麺は格安品ですがスープとマッチしていて問題なし。
で、とにかくスープが上手に出来ました。
さすがトリプルスープ(笑)。シンプルですが奥深い味がします。
あとやはり鶏油が効います!鶏油が後味にコクを出してくれています。
鶏油はもうちょっと入れても良かったですね、特に男子は油っぽいの好きだから。
娘(9歳)が「一口ちょうだい」と言ってきたので、小分けにして食べさせてあげました。
おいしーい、自然のうま味って感じ?
娘にそう言われて気がついたのですが、確かに化学調味料は一切使っていない無化調のラーメンですね。
時間と手間をかけるだけはある!それだけ美味しくなっている気はします。
ただ1点だけ残念な点があって、それはホンビノス貝の身が固かったこと。
そもそも大ぶりなホンビノスの身は固いのですが、何度も熱を通すことで、どうしても貝自体は固くなってしまします。
ただそれを差し引いても、初めての自作ラーメン作りは大成功だったと思います。
結構感動する出来栄えになって、自分でもびっくりしました。
まとめ
ラーメン作り、面白い!
初めてのラーメン作りでしたが、これは確かに面白いです。
貝出汁のラーメンは、うま味が強いので、他のスープの比率や、カエシを変えてあげるだけで、いろいろなパターンを楽しめそうです。
ホンビノスを使って、クラムチャウダーを良く作るのですが、1日で食べきれず翌日に残ることが多いので、残ったチャウダーに別のうま味のスープや油を足して、クラムチャウダーラーメンを今度作ってみようかなと思いました。
貝出汁は多分ボンゴレやスープパスタを作る時とかにも絶対美味しくなる予感しかしないので、7月中にも潮が良い週末があるので、またホンビノス貝を取ってこようと思います。
もともと潮干狩りは大好きなんですが、また一つ楽しみになる要素が出来ました!
ラーメン作り、だいせいこーう!
今回も最後まで読んでくださり、ありがとうございます(礼)。
↓ページ下部に「人気記事ベスト10」があります。お時間がある方は見るだけみてやってください(願)。
コメント
初めまして。
潮干狩りホンビノスが沢山手にはいったので参考にさせて頂きました。
とても美味しく作ることが出来ました!
ありがとうございます!