稲刈り後、自力で脱穀・もみすり・精米を初体験。家でも出来た!
2020年秋、子供と稲刈り体験をする機会に恵まれまして、その際に数本の稲穂を
「家でも精米できるかな?」
と思い持ち帰りました。
家に精米機は無いので全ての工程を人力でやってみる事に。
一連の流れはなんとなくの知識では知っていたものの、実際やるとコレが結構面白かったです。
子供らも興味津々で付き合ってくれたので、日本人の主食である「お米」がどうやって食べれるようになるかを身をもって体験してみました。
これはいい食育になったと思うので、その模様をレポートします。
【2021年2月追記】
この記事を最初に書いたのは2020年10月なのですが、その後に「天穂のサクナヒメ」が発売され、ちょっと今、米作りブーム来てるみたいです。
そうなんです、お米面白いんですよー。最後まで読んでいってくださいー。
まずは稲刈り
こちらは行政の方でやってくれている農業体験イベントで、本来なら年間を通して田植えやら、雑草取りとかもあるのですが、今年(2020年)はコロナの影響で稲刈り体験のみ。
収穫した稲は、稲架(はぜ)にかけて乾燥させます。
稲を「はぜ」にかけて天日で乾燥させた後(これを「はぜかけ」と言います)、運営さん側で脱穀精米してくれて新米として後ほど貰えます。
その時ふと、
「これ、家でも人力で精米できるかな?」
と思い、農業指導のおじいさんに聞いてみることに。
あのー、この稲穂何本か持って帰って家で脱穀精米できますかね?
できるできる、持って帰って2週間位乾燥させたら家でもできるよぅ、持って帰りー
と、優しく促されたのでありがたく頂戴する事にしました。
収穫日は9/19。何本かの稲を持って帰ることにしました。
稲を乾燥させる
田んぼの稲は「はぜかけ」で乾燥させますが、家ではペットボトルに入れて乾燥させることに。
なぜ乾燥させるかというと、稲の中に含まれる水分量を減らして、長期保存が効くようにするためらしいです。
他にはこんな理由も。
干すことによってアミノ酸と糖の含量が高くなり、また稲を逆さまに吊るすことで、藁の油分や栄養分、甘みが最下部の米粒へ降りて栄養とうま味が増すと言われている。太陽光という自然エネルギーを利用する古来よりの方法であったが、近年は乾燥機により乾燥することが多く、収穫の季節になっても天日干しは手間がかかるため減少傾向にある。
引用元:Wikipedia 稲木
ペットボトルにinして、天気が良い日はベランダに、雨が降る日は室内に入れていました。
上の写真の頭を垂れる稲穂を見るだけで、なんとなく平和で幸せな気分になれるのは、日本人のDNAですかねぇ?私だけ?
お家で自力脱穀のやり方
稲の穂先から籾(もみ)を落とすのが脱穀(だっこく)作業。
作業日は10/10。稲刈りから20日後。
台風が来ていてご覧の空模様なのでどこにも行けなかったしちょうどイイ。
家で自力脱穀をするときのやり方は何パターンかありまして、今回我が家が採用したのは「牛乳パックを使った脱穀」。
情報元はこちら。
牛乳パック方式だと、しごいた籾がそのまま牛乳パックの中に落ちるので楽で良いです。
上手にしごけていない穂先もあったので、何回か繰り返しました、
そうこうしていると、娘が…
脱穀作業中、娘ちゃん(9歳)がやおら稲穂をくわえて
パパ、ホウオウだよー
ん、何?どういう事?
鳳凰だよ、お神輿に乗ってる
何でそれが鳳凰なの?
お神輿の鳳凰は稲穂をくわえてるんだよー、学校で習ったの。知らない?
ハイ、知りませんでした。
どうやらこういう事らしいです。
鳳凰が咥える稲穂は縁起物だそうです。
へー、そうなんだー知らなかった。
40過ぎて子どもに教わる事もありますねー(笑)。
脱穀の後はもみすり
お次は「もみすり」です。
籾から籾殻をはずします。
必要な道具は、こちら。
軟式ボールは私が草野球経験者なので家にありました。
軟式ボールがない場合は、多分大きめのスーパーボールとかでもイケる気がします。
質感が軟式ボールに近い球状のものなら代用可能かと。
すり棒でも「もみすり」は可能みたいですが、力を入れすぎると米が割れてしまうので、力加減を気をつけろとの事です。
詳しくはこちらを参考にしてください。
娘も息子も「やらせてやらせて」とノリノリです。
この作業、地味にちょっと楽しいです。
そんなに力を入れなくても、摩擦の力でもみ殻がスルッと剥けていきます。
作業として「やってる感」「進んでる感」がある作業って言ったらいいんですかね?
ちっちゃいカタルシスを感じられます。
で、もみ殻が取れたら息を吹きかけて、もみ殻だけを飛ばします。
要領が分からず、最初室内でこれをやったらエライ事になりました。
籾がらが室内に飛びまくりました(笑)。
これから試される方は、この作業はお外でやってくださいね。
比較のために今回の玄米と、家にあったお米を並べてみました。
やはり全然色が違いますねー。
精米機って、本当にキレイに精米するんですね。
ここで子供らに「玄米とは何ぞや」をレクチャーしました。
我が子らは玄米を見るのは初めてだったので、勉強になったかな?
なんちゃって精米
お次は精米です。
玄米から「ぬか」を取っていきます。
アニメや映画などで、一升瓶に玄米を入れて、棒で搗(つ)いているシーンって見たことありませんか?
この記事を書くにあたり色々調べたら、「裸足のゲン」の記憶なのかなぁ?
でも他のアニメで見た記憶があるんですよね。あれ何だったんだろうなぁ。
「一升瓶と棒による精米」
— 鶴間 薫(甘い汁が吸いたい) (@kaoru_Tsuruma) November 21, 2016
昭和14年から精米は七分搗(づ)き以下と決められた。太平洋戦争中の配給は玄米であったため、一升瓶と棒を使い、家庭で精米した。北條家では足の弱いサンの仕事のようである。画像は「はだしのゲン」#この世界の片隅に用語集 #この世界の片隅に pic.twitter.com/VJLvAu80BK
最近ですと私は見てないのですが「この世界の片隅に」でそんなシーンがあるようです。
『この世界の片隅に』。この場面(瓶に入れた米を棒で突く)、何度も出てきて「何してるんだろう」と不思議だったけど、これは「瓶づき精米」(配給された半白精米は食べづらいので、一升瓶に入れて棒で突いて精米する)という作業なのだそうだ。知らなかったー! pic.twitter.com/xX2Sf0ieNN
— 伊藤聡 (@campintheair) November 13, 2016
このやり方、昔ながらのやり方かと思いきや、明治初期にはすでに精米機を使った精米が行われていたそうなので、どうやら戦時中の一時期限定の精米方法とのこと。
上の引用Twitterにも書いてあるけど、戦時中はお米が玄米で配給されていたので、各々が家庭で精米するためにこの方法でやっていたんですね。なるほど。
この「一升瓶での棒搗き精米」私以外の他の方も強く印象に残るシーンのようで、実際に試されている記事も数本見つけました。
上でご紹介した記事などを読んでみると、この作業で白米にするのは凄く時間がかかるそうなので、今回は玄米の量も少ないし、子どもらに体験させる程度の「なんちゃって精米」にとどめました。
JAさんのサイトを見ると「毎日3時間を1週間かけても、市販されているお米の様に真っ白にはなりません」と書いてありました。そりゃ無理だ!
昔はこうやって精米したんだよ
とわからせるために、娘ちゃんと息子ちゃんに100回づつつかせました。
私も500回程度つきましたが、この程度だと確かに全く変化はなかったです。
自家精米したお米を食べますよ
本当に少量ですが、白米に混ぜて一緒に炊いてみました。
うん、玄米がプチプチしていて美味しい
本当に少量だったので、家族を代表して私が食べたのですが、玄米の食感が白米の「もちっ」っとした食感とは異なり、噛みごたえがあって美味しかったです。
食感に変化があると、食べ物って美味しいじゃないですか?つくねの中の軟骨的な。
「精米機なくてもなんとかなるなー」という思いを強くしたので、来年も稲刈りに参加出来るチャンスがあれば、もうちょっと多めに稲穂を頂いて来ようかと思います(笑)。
精米をガチでやらないのであれば、玄米にするまではそこまで時間もかからないし(30分程度)面白いので、コレは良い体験だと思います、人にもオススメしたい。
首都圏周辺、稲刈り体験アレコレ
「人にもオススメしたい」とは言ったものの、稲刈りなんてなかなか体験できないですよね?
生協さんとかで、学校単位での脱穀・もみすり体験とかはあるみたいですが、個人単位でやるのはなかなか大変かなと。
と言うわけで、私なりに稲刈り体験できそうな所を調べてみました。
千葉に住んで40ウン年なので、土地勘のある千葉県中心の情報ですが、参考にしてみてください。
各県庁
【千葉県公式】
稲作|体験・イベント情報
【埼玉県公式】
農作業体験 – グリーンツーリズム情報サイト
【茨城県公式】
農業体験(田んぼ) いばらきのグリーン・ツーリズム
【神奈川県公式】
グリーンツーリズム
道の駅
【千葉県柏市】
おススメ 道の駅しょうなん 収穫体験
【千葉県八千代市】
おススメ 道の駅やちよ
【千葉県香取市】
道の駅くりもと
その他・民間
【千葉県市川市】
みどりの寺子屋・緑の楽交
【千葉県成田市】
成田ゆめ牧場
【aini(アイニ)夢中が集まる体験プラットフォーム】
稲刈り体験
【子連れのおでかけ・子どもの遊び場探しならコモリブ】
関東で稲刈り体験ができるところ12選!
2020年はコロナの影響で、田植え体験等は中止の所が多かったようです。
来年以降もどうなるかわかりませんが、「道の駅しょうなん」「道の駅やちよ」なんかは、稲刈り以外も結構頻繁に収穫体験のイベントをやっていますし、東京から比較的近いのでオススメしやすいです。
その2つの道の駅なら、アンデルセン公園にも近いので(道の駅やちよならクルマで10分位)、農業体験のイベントと合わせてハシゴすれば、お子さんも喜ぶと思います。
アンデルセン公園や千葉のそこら周辺で楽しめるザリガニ釣り等の記事も書いてますので、よろしければ読んでみてください。
まとめ
来年はバケツ稲にもチャレンジ!?
お家で精米するにあたって色々調べていたら、上の文章内でもちょいちょい出てきたJAの「バケツ稲」のサイトが参考になりました。
JA公式 バケツ稲づくりマニュアル(PDF)
マニュアルもあるし、家でも稲が作れるなんて知ったら、やってみたくなるじゃないですか(笑)。
籾をとった段階で、もちろん来年の「種もみ」も確保しましたよ、当たり前じゃないですか(笑)。
嫁に聞くと娘ちゃんの小学校で、来年同じ様にバケツ稲を作る授業があるとかないとか。
先輩ママさんたちの言によると「花が咲かず、稲がならない」の声多数との事なので、結構難しいらしいのですが挑戦してみようかと。
ただ一番の難敵は、「狭いベランダに余計な物を置くんじゃない」と難色を示す嫁さんをいかに説得するかですかね(笑)…。
【2021年11月追記】
2021年も稲刈りの機会に恵まれまして、発芽玄米にして食べました。
記事書いたので読んでください。
→「手作業精米。発芽玄米で食べる。白米を見て機械の偉大さを知る!」
玄米茶にもして飲んでみました。
→「手作業籾すり玄米で玄米茶を自作。玄米茶、実は白米問題に気づく」
今回も最後まで読んでくださり、ありがとうございます(礼)。
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